1結論:首都圏で子ども2人なら世帯年収1200万円ほしい
首都圏で子ども2人を育てるなら、世帯年収1200万円くらいは目指したい。
東京で子ども2人なら1500万円、首都圏ならそこから300万円下げて1200万円。
面白いのは、東京で子ども1人を育てる目標年収と同じくらいになることだ。
もちろん家庭によって違う。
ただ、それくらい東京の住居費は重い。
逆に言えば、東京から少し離れるだけで家族4人の生活はかなり組みやすくなる。
それでも「首都圏なら子ども2人でも1000万円あれば余裕」とまでは言いにくい。
子どもが2人になれば、広い家、食費、習い事、旅行、大学費用まで全部2人分になっていく。
住居費は東京より抑えられるが、それ以外の支出まで全部安くなるわけではない。
だから首都圏で子ども2人なら、世帯年収1200万円をひとつの目標にしたい。
2首都圏で4人家族なら、毎月これくらい見ておきたい
夫婦と子ども2人で、埼玉・千葉・神奈川・東京郊外あたりに住み、極端な節約をせず暮らすなら、ざっくりこんなイメージになる。
| 項目 | 月額の目安 |
|---|---|
| 住居費 | 17〜22万円 |
| 食費 | 11〜14万円 |
| 水道光熱費 | 3〜4万円 |
| 通信費 | 1.5〜2万円 |
| 日用品・衣服 | 4〜6万円 |
| 教育・保育・習い事 | 6〜12万円 |
| 交通費 | 3〜5万円 |
| 保険・医療 | 3〜5万円 |
| 外食・娯楽 | 5〜7万円 |
| その他 | 3〜5万円 |
| 合計 | 53.5〜82万円 |
もちろん子どもの年齢、車を持つか、住宅ローンか賃貸かでも変わる。
この金額をそのまま全家庭に当てはめる必要はない。
ただ、4人家族で住居・教育・娯楽を全部そこそこ取ろうとすると、月50万円台後半から60万円台は普通に見えてくる。
総務省の2025年家計調査では、二人以上世帯の平均消費支出は月31万4001円だった。
ただし平均世帯人員は2.87人、世帯主の平均年齢も60.7歳なので、首都圏で子ども2人を育てる4人世帯とはかなり条件が違う。
全国平均だけ見て「月30万円くらいでいける」とは考えない方がいい。
3東京との差はやっぱり家
首都圏で子ども2人を考えるとき、一番大きいのは住宅費だ。
4人家族なら、できれば3LDK、70㎡前後、可能なら子どもそれぞれの部屋も欲しくなる。
東京23区でこの条件を求めるとかなり高い。
でも埼玉、千葉、神奈川、東京郊外まで広げれば選択肢はかなり増える。
同じ20万円でも、東京なら2LDK、首都圏なら3LDKということもある。
子ども2人になると、この差は大きい。
夫婦2人なら「狭いけど便利な家」でもいい。
でも4人になると、多少遠くても広い家の価値がかなり上がる。
4その代わり、時間を払う
もちろん東京を離れれば全部解決ではない。
郊外に行くと通勤時間が伸びる。
片道30分増えれば往復1時間。年間200日出社なら200時間だ。
子ども2人いる家庭で毎日長時間通勤するのは普通にしんどい。
保育園のお迎え、家事、子どもの病気、学校行事もある。
だから首都圏で子育てするなら、リモートワークできるかどうかで郊外の価値はかなり変わる。
週5出社なら通勤時間は重い。
週2〜3出社なら郊外のデメリットは一気に小さくなる。
年収だけではなく、どこで働くか、どれくらい出社するかまで含めて考えたい。
5子ども2人になると、教育費がかなり効いてくる
首都圏に出れば家賃は下がる。
でも教育費はそこまで下がらない。
塾、習い事、中学受験、私立高校、大学には普通にお金がかかる。
文部科学省の令和5年度「子供の学習費調査」では、公立小学校の年間学習費総額は約36.7万円、私立小学校では約174.2万円だった。
学校教育費だけでなく、塾や習い事など学校外活動費も含んでいるので、進路による差はかなり大きい。
子ども2人になると、2人とも同じように選択肢を残せるかという問題が出てくる。
上の子は中学受験、下の子は無理。
上の子は私立大学、下の子には国公立に行ってもらう。
本人の希望や向き不向きで結果が違うのはいい。
でも家計の都合だけで下の子の選択肢が減るのは、できれば避けたい。
だから教育費は最初から2人分を見ておいた方がいい。
6大学費用が2人分あるのは普通に重い
教育費の中でも一番大きいのは大学だ。
4年間の学費、受験費用、入学金、パソコン、教科書。自宅外なら家賃や仕送りもある。
それが2人分になる。
仮に大学までに1人500万円準備するなら2人で1000万円。700万円ずつなら1400万円だ。
しかも大学の前に塾、高校、受験もある。
だから子ども2人家庭では、大学に入る直前になってから考えるのでは遅い。
小さいうちからある程度積み立てておきたい。
7生活費とは別に月15万円くらいは残したい
4人家族なら、生活できているだけでは少し心細い。
教育費、住宅、老後、病気、失業など、まとまった出費はいくらでもある。
毎月15万円貯めると年間180万円、20年間で3600万円。
毎月20万円なら4800万円になる。
| 毎月の貯蓄額 | 20年間の合計 |
|---|---|
| 5万円 | 1200万円 |
| 10万円 | 2400万円 |
| 15万円 | 3600万円 |
| 20万円 | 4800万円 |
もちろん運用すれば増える可能性はある。
ただ、この全部が老後まで残るわけではなく、教育費や住宅にも使う。
だから子ども2人なら、生活費を払ったあとに月15万円前後を将来へ回せる状態を目指したい。
8世帯年収800万円ならどうか
800万円でも首都圏で子ども2人は育てられる。
無理ではない。
ただ、かなり優先順位は必要になる。
家は郊外、基本は公立、車を持つなら住宅費を抑える、旅行回数を考える、固定費を増やさない。
何かにお金を使えば、その分どこかを削る場面は出やすい。
だから800万円は、生活はできる。でも目標として置くならもう少し上を見たいという位置だ。
9世帯年収1000万円ならかなり現実的
1000万円まで来ればかなり現実的になる。
首都圏なら住宅費を東京より抑えやすい。
子ども2人でも普通に暮らせ、習い事もでき、国内旅行にも行け、ある程度貯蓄もできる。
だから「1000万円でも十分じゃない?」と言われれば、その通りだ。
ただ、2人とも塾、2人とも私立、広い家、車、旅行を何個も同時に取り始めると余裕は薄くなる。
1000万円は、十分暮らせる。でも大きな選択肢を何個も取るには少し足りないくらいだと思う。
101100万円ならかなり楽になる
1100万円くらいまで来れば、住居、教育、旅行、貯蓄をかなり同時に回せる。
実生活だけなら1100万円でもかなり強い。
ではなぜ1200万円を目標にするのか。
せっかく目標を置くなら、ギリギリ余裕がある数字ではなく、もう一段余裕がある数字を置きたいから。
それだけだ。
111200万円になると、かなり選択肢を残せる
1200万円まで来ると、首都圏で子ども2人でもかなり安定する。
広めの家、子ども2人の習い事、家族4人で旅行、教育資金、老後資金。
全部を最高ランクにすることはできない。
でも、全部をそこそこ取ることはかなりやりやすくなる。
子どもが塾へ行きたいと言えば検討できる。家が狭くなれば引っ越しを考えられる。旅行にも行ける。
毎回「それやったら金なくなるから無理」から始めなくていい。
1200万円は贅沢するための年収というより、選択肢を残しながら4人で暮らすための年収と考えたい。
12東京で子ども1人と同じ1200万円
| 暮らし | 目標世帯年収 |
|---|---|
| 東京・子ども1人 | 1200万円 |
| 首都圏・子ども2人 | 1200万円 |
厳密な計算ではないが、東京に住むコストは子ども1人分くらい大きい、と考えると分かりやすい。
東京で便利な場所に住むことには価値がある。
ただ、その価値に毎月何万円払っているのかは一度考えていい。
子ども2人を持ちたいなら、首都圏に出ることで家計の難易度はかなり下げられる。
13年収別に見るとこんな感じ
| 世帯年収 | 首都圏・子ども2人の暮らし |
|---|---|
| 700万円 | かなり工夫が必要 |
| 800万円 | 暮らせる。ただし優先順位はかなり必要 |
| 1000万円 | 十分現実的 |
| 1100万円 | かなり余裕が出てくる |
| 1200万円 | 住居・教育・貯蓄をかなり両立しやすい |
| 1400万円〜 | 選択肢はかなり広い |
だから「首都圏で子ども2人なら、いくら稼げばいい?」と聞かれたら、1200万円をひとつの目標にしたい。
141200万円を夫婦でどう作るか
1200万円なら、
- 夫600万円+妻600万円
- 夫700万円+妻500万円
- 夫800万円+妻400万円
- 夫900万円+妻300万円
でも作れる。
ただ、子ども2人なら合計だけ見ない方がいい。
出産、育休、時短勤務、子どもの病気、学校行事。
2人いれば、その回数も増える。
だから、夫婦2人ともフルタイムで働き続けることを前提にしすぎない。
もちろん共働きを続けられるなら強い。
600万円+600万円なら、どちらか一方に依存しないという意味でもかなりいい。
一方、一時的に片方の収入が落ちるなら、700万円+500万円、800万円+400万円のように片方にある程度収入がある方が耐えやすい。
15結論
首都圏で子ども2人を育てるなら、世帯年収1200万円を目標にしたい。
1000万円でも十分暮らせる。1100万円ならかなり現実的。
でも目標をひとつ置くなら1200万円。
首都圏なら東京より広い家を取りやすい。これは子ども2人家庭ではかなり大きい。
その一方で、教育費、大学費用、旅行、食費、老後資金は2人分ちゃんと積み上がる。
家族4人でそれなりに広い家に住み、子ども2人に教育の選択肢を残し、家族で遊びにも行き、それでも将来のお金を貯める。
そこまでやりたいなら、世帯年収1200万円。
まずはここを目指したい。