1結論:東京で子ども1人なら世帯年収1200万円ほしい

東京で子ども1人を育てるなら、世帯年収は1200万円くらいをひとつの目標にしたいと思う。

もちろん、1200万円ないと子育てできないという話ではない。

800万円でも家庭は作れるし、1000万円あればかなり現実的に暮らせる。

ただ、人生設計として目標を置くなら、「最低限なんとか生活できる年収」ではなくて、お金のせいで選択肢を削りすぎなくていい年収を置いた方がいい。

子どもができると、夫婦2人のときにはなかった出費がどんどん増える。

もう少し広い家に住みたい。習い事をさせたい。中学受験も一応選択肢には残したい。家族旅行にも行きたい。大学費用も準備したい。

しかも、それとは別に自分たちの老後資金も貯めないといけない。

全部を叶える必要はないけど、何かやりたいことが出るたびに「お金ないしやめとくか」となる状態は、できれば避けたい。

そのあたりまで考えると、東京で子ども1人なら、まず世帯年収1200万円くらいを目標に置くのがちょうどいいと思う。

2東京で3人家族になると、普通にお金がかかる

まずは毎月の生活費から考えてみる。

夫婦と子ども1人で、極端な節約はせず、それなりに余裕を持って暮らすなら、ざっくりこのくらい。

項目月額の目安
住居費20〜25万円
食費9〜12万円
水道光熱費2.5〜3.5万円
通信費1〜1.5万円
日用品・衣服3〜5万円
教育・保育・習い事3〜7万円
交通費2〜4万円
保険・医療2〜4万円
外食・娯楽4〜7万円
その他2〜4万円
合計48.5〜73万円

もちろん、この数字は家庭によってかなり変わる。

家賃15万円くらいで済む家庭もあるし、車を持たない家庭もある。逆に23区内で少し広めの家に住もうとすれば、住居費だけで25万円を超えることも普通にある。

だから、この表をそのまま全家庭に当てはめる必要はない。

ただ、東京で子ども1人を育てながら、住居、食事、教育、娯楽を全部そこそこ取りにいくと、月50万円台の支出は普通に見えてくる。

ここは思っているより重い。

3生活費を払って終わりではない

さらに厄介なのが、子どもがいる家庭は毎月の生活費だけ見ていればいいわけではないこと。

将来には、大学進学、住宅購入、家電の買い替え、車、病気や失業、親の介護、老後資金みたいな大きな支出が待っている。

だから、家計を見るときは「毎月黒字かどうか」だけじゃなくて、毎月いくら残せるかまで見た方がいい。

例えば毎月10万円貯めれば、年間120万円。毎月15万円なら年間180万円。

20年間続けるとこうなる。

毎月の貯蓄額20年間の合計
5万円1200万円
10万円2400万円
15万円3600万円
20万円4800万円

もちろん、投資に回せば増える可能性もある。

でも、このお金を全部そのまま老後まで残せるわけではない。教育費にも使うし、住宅にも使うし、途中で大きな出費もある。

そう考えると、「毎月5万円くらい余ってるから大丈夫」という状態は、長期では意外と心細い。

子どもを持つなら、生活費を払ったあとに毎月10〜15万円くらいを将来に回せる家計をひとつの目安にしておきたい。

4子ども1人でも教育費は軽くない

子どもにかかるお金の中で、やっぱり大きいのが教育費。

全部公立で進めば、かなり抑えられる。そこは間違いない。

ただ、最初から「うちは全部公立で行くから大丈夫」と決め切ってしまうのも少し怖い。

小学生になって中学受験をしたいと言うかもしれないし、高校生になって私立大学を希望するかもしれない。大学に入ってから留学したいと言う可能性もある。

そのときに、「それに本当に価値があるか」を考えられるのと、「お金ないから無理」で即終了するのとではかなり違う。

もちろん、子どもの希望を全部叶える必要はない。

中学受験も留学も、その都度本当に必要か考えればいい。

ただ、検討する前からお金の問題だけで選択肢が消えている状態にはしない。

そのためにも、教育費は少し余裕を持って考えておいた方がいい。

5東京の子育てで一番重いのは、やっぱり家

東京で子どもを持つと、かなり効いてくるのが住居費。

夫婦2人なら1LDKでも暮らせるし、40〜50㎡くらいでもそこまで困らない。駅近を優先して、多少狭い家を選ぶのも全然あり。

でも、子どもができると欲しい条件が増えてくる。

子ども部屋が欲しい。収納も欲しい。ベビーカーを置く場所も欲しい。保育園や学校への距離も気になるし、治安も気になる。

そうすると、できれば60㎡以上欲しい、みたいな話になってくる。

そして東京では、広い家は普通に高い。

じゃあ郊外に行けばいいじゃん、というのももちろん正しい。

ただ、その代わり通勤時間が伸びる。

片道30分増えれば往復で1時間。年間200日働くなら、年間200時間くらいを通勤に追加で使うことになる。

つまり、家賃を下げる代わりに自分の時間を払う、みたいな話にもなる。

東京の住宅費って、単純に高いか安いかだけでは決めにくい。

お金を取るか、時間を取るか。広さを取るか、立地を取るか。

このトレードオフがずっとついて回る。

だからこそ、子育て家庭では住居費にある程度余裕を持てる年収がかなり重要になる。

6世帯年収800万円ならどうか

世帯年収800万円は、別に低い年収ではない。

夫婦共働きなら普通に成立するし、東京で子ども1人を育てることももちろんできる。

ただ、何でもできるわけではない。

住宅費はなるべく抑える。車は持たない。旅行は回数を絞る。中学受験をするなら他を少し削る。大きな固定費は増やしすぎない。

みたいに、どこにお金を使うかはかなり考えることになる。

要するに、暮らせる。ただし優先順位は必要というライン。

800万円で子育てするのが無理という話ではない。

でも、これから目指す年収として800万円を置くかと言われると、少し低いと思う。

せっかく目標を決めるなら、もう一段上を見ておきたい。

7世帯年収1000万円ならかなり現実的

1000万円まで来ると、かなり現実的になる。

東京で子ども1人なら、家賃を多少上げてもいいし、習い事もできる。旅行もできるし、貯蓄もある程度できる。

だから、この記事は「東京で子ども1人なら最低1200万円必要」と言いたいわけではない。

1000万円でも十分やっていける。

ただ、年収1000万円という言葉から受ける印象ほど、余裕は大きくないと思う。

年収1000万円と聞くと、かなり金持ちっぽく感じる。

でも東京で家族3人になると、家賃20万円、食費10万円、教育費、保険、レジャー、貯蓄と積み上がっていって、思ったより普通の生活になる。

「1000万円稼いでるのに、意外と普通だな」と感じやすいラインでもある。

だから1000万円は、生活するには十分。でも、全部の選択肢を余裕で取れるほどではないくらいに考えるのが近い。

8じゃあ、なんで1200万円なのか

1200万円あれば金持ちになれるから、ではない。

都心のタワマンに住んで、幼稚園から私立に入れて、高級車を持って、毎年海外旅行に行く。

そんな生活をしたら、1200万円でも普通に足りない。

じゃあ1200万円で何が変わるかというと、何かひとつ増やすたびに、別の何かを削らないといけない状態から抜けやすくなること。

家賃を少し上げる。習い事を増やす。中学受験も考える。年1回くらい家族旅行に行く。

それでも毎月ちゃんと貯金する。

この組み合わせが、1000万円よりだいぶしやすくなる。

つまり1200万円は、全部を最高ランクにできる年収ではない。

でも、普通に生活していて欲しくなるものを、毎回どれか諦めなくてよくなる年収ではある。

だから、東京で子ども1人なら、このあたりをひとつの目標に置くのがちょうどいいと思う。

91400万円まで行けばかなり強い

さらに1300〜1400万円くらいまで来ると、家計の余裕はかなり増える。

もちろん税金も増えるので、年収が200万円増えたからといって手取りがそのまま200万円増えるわけではない。

それでも、住居、教育、貯蓄、娯楽を同時に取りやすくなる。

特に大きいのは、予定外の出費に強くなること。

家電が壊れた。引っ越しが必要になった。子どもが塾に行きたいと言った。家族旅行に行きたい。

こういう出費が重なっても、家計全体が崩れにくい。

本当に余裕を求めるなら、1300〜1400万円くらいあっても全然多すぎない。

ただ、まず目標をひとつ置くなら1200万円。

ここを最初の区切りにするのが分かりやすい。

10年収別に見るとこんな感じ

世帯年収東京・子ども1人の暮らし
600万円かなり工夫が必要
800万円暮らせる。ただし優先順位は必要
1000万円かなり現実的。でも余裕は思ったほど大きくない
1200万円大きな我慢がかなり減る
1400万円住居・教育・貯蓄をかなり両立しやすい
1600万円〜かなり余裕が出る

こうして並べると、1200万円くらいが「余裕あり」に入り始める最初のラインとして分かりやすいと思う。

11でも1200万円は、どうやって作る?

ここからもう一つ考えたいのが、世帯年収1200万円の中身。

同じ1200万円でも、

  • 夫600万円+妻600万円
  • 夫700万円+妻500万円
  • 夫800万円+妻400万円
  • 夫900万円+妻300万円

では、家計の安定感がかなり違う。

子どもがいないなら、合計額だけ見てもそこまで問題ない。

でも、子どもができると、出産、育休、時短勤務、転職、体調不良なんかで、夫婦のどちらかの収入が一時的に下がる可能性は普通にある。

だから、夫婦合わせて1200万円あればOKだけで考えるのは少し危ない。

600万円+600万円で、どちらかの収入が大きく落ちれば、世帯年収は一気に下がる。

一方で800万円+400万円なら、片方の収入が減ってもある程度は耐えやすい。

もちろん、これは働き方や価値観による。

共働きをずっと続ける前提なら600万円+600万円でもいい。

ただ、子どもを持つなら、世帯年収だけじゃなくて収入の内訳まで考えた方がいい。

そうすると次は、「個人では何歳までに年収いくらを目指すべきか」という話につながってくる。

ここから仕事選びや結婚相手選びの話にも落とし込める。

12結論

東京で子ども1人を育てるなら、世帯年収1200万円をひとつの目標にしたい。

もちろん1200万円ないと子どもを持てないわけではない。

1000万円でも十分暮らせるし、800万円でも子育てはできる。もっと低い年収で家庭を作っている人もいくらでもいる。

でも、暮らせる年収と、これから目指す年収は別。

せっかく人生設計をするなら、「最低いくらあれば生活できるか」ではなくて、どれくらいあれば、やりたいことをお金だけで諦めなくて済むかで考えた方がいい。

家、教育、旅行、貯蓄、親自身の生活。

全部を贅沢にする必要はない。

ただ、何かやりたいことが出るたびに「金ないし無理やな」となる生活を、わざわざ最初から目標にする必要もない。

東京で子ども1人。

ひとつ数字を置くなら、世帯年収1200万円。

まずはこのあたりを目指したい。