1結論:メガバンクなら年収1000万円はかなり現実的
銀行員は年収1000万円を狙える。ただし、「銀行員なら1000万円」ではない。
同じ銀行員でも、働く場所によって給与水準はかなり違う。
- 地方銀行
- 信用金庫
- ネット銀行
- メガバンク
- 信託銀行
この中でも、大手銀行、とくにメガバンクの総合職として入り、一定以上まで昇進できれば年収1000万円はかなり現実的なラインになる。
金融専門職のように20代から2000万円を狙う仕事ではないし、総合商社ほど給与水準が飛び抜けているわけでもない。それでも、大手企業に入り、経験を積み、昇進した先に1000万円がある。かなり王道の会社員ルートだ。
銀行員は、一発の上振れが大きい仕事というより、大手行で出世できれば1000万円への再現性が比較的高い仕事と考えるのが近い。
2メガバンクで1000万円を狙いやすい理由
銀行員が高年収になりやすい理由として「金融業界だから」と説明されることがある。もちろんそれもある。銀行は預金、融資、決済、為替、投資、資産運用、企業金融など大きなお金を扱う。
ただ、それだけなら地方銀行や信用金庫の職員も全員1000万円になっていいはずだ。実際にはそうならない。
つまり重要なのは、金融という業界にいること以上に、どの銀行にいるかということ。メガバンクが強いのは、会社そのものの規模が大きく、収益力があり、給与テーブルも高いからだ。
2-11000万円への道はかなり「会社員らしい」
銀行員の1000万円ルートは分かりやすい。
- 若手
- 中堅
- 管理職手前
- 管理職
こうして等級が上がるほど給料も上がっていく。つまり長く働いて昇進することが、そのまま年収1000万円につながりやすい。
ここはITエンジニアとはかなり違う。エンジニアの場合、10年経験を積んでも会社の給与上限が低ければ1000万円には届かない。技術専門職として突き抜ける、外資へ行く、マネジメントへ進むといった追加条件が必要になることが多い。
メガバンクなら、会社の中に1000万円を超えるポジションが普通に存在している。だから昇進競争に乗れれば、道筋自体はかなり分かりやすい。
若いうちから1000万円という仕事ではない
一方で、銀行員の1000万円はそこまで早くない。
投資銀行、コンサル、外資テックなら20代後半から1000万円に届く人もいる。銀行員は基本的に年次と昇進を重ね、30代後半から40代あたりで1000万円が見えてくるイメージに近い。
つまり銀行員は、若くして一気に稼ぐ仕事ではなく、時間をかけて高年収へ上がっていく仕事だ。これはメリットでもあり、デメリットでもある。
特殊な能力で突き抜けなくても届きやすい
もちろん仕事ができる必要はある。評価も必要だし、昇進競争もある。
ただ、エンジニアのように世界レベルの技術力を持つ、営業のように圧倒的な売上を出す、金融専門職のように巨大な案件利益を生む、といった突出した成果を個人で出さないと1000万円に届かないわけではない。
大手行でちゃんと評価され、昇進し、管理職になる。その延長で1000万円が見える。
つまり銀行員は、突出した天才になるより、組織の中で順当に勝ち続ける方が重要な仕事だ。
31000万円には出世競争がある
ここは勘違いしない方がいい。メガバンクに入れば全員自動的に1000万円になるわけではない。
- 昇進差がある
- 評価差がある
- 役職差がある
- 途中で転職する人もいる
- 出向やキャリア変更もある
だからメガバンク入行=1000万円確定ではない。
正確には、メガバンクには1000万円へ届く王道ルートが用意されていて、そのルートに残れる人の再現性は高いくらいに考えたい。
3-1銀行員は出世競争の影響が大きい
銀行員の年収を考えるなら、出世はかなり重要だ。
銀行は大きな組織なので、役職、等級、人事評価が明確に分かれている。同期より早く昇進する人、平均的に上がる人、昇進が遅れる人で差が出る。
1000万円を目指すなら、どこかで管理職ラインに乗れるかが大きい。
専門性だけ磨けばいい仕事ではなく、上司からの評価、組織内での実績、人材マネジメント、調整力も必要になる。
人を管理したくない人には少し向きにくい
銀行員で1000万円を狙うなら、基本的には管理職ルートが強い。年収を上げるほど、部下、チーム、数字、組織、人事など管理するものが増えていく。
そのため、専門職として一人で仕事を極めて1000万円という働き方とは少し違う。
医師、弁護士、エンジニアの専門職ルートと比べると、銀行員はかなり組織人としての能力が重要になる。
4銀行員として高年収を取る代わりに受け入れるもの
銀行員は異動も多い。
- 法人営業
- 個人営業
- 本部
- 企画
- 審査
- 市場
全国規模の銀行なら転勤もあり得る。自分がやりたい仕事だけを選び続けるのは難しく、会社が必要とする場所へ行き、そこで結果を出し、また異動する。
高い給与テーブルに乗る代わりに、キャリアの自由度は少し下がる。この点は総合商社にも似ている。
4-1配属によって仕事の面白さはかなり違う
銀行と聞くと融資や法人営業をイメージしやすいが、実際の仕事はかなり幅広い。
- 法人営業
- 個人営業
- 審査
- 商品企画
- システム
- リスク管理
- 市場部門
- 国際部門
- 経営企画
同じ銀行でも仕事内容は全然違う。
だから「銀行員という仕事が好きか」だけではなく、銀行の中でどんな仕事をしたいかまで考えた方がいい。配属の影響はそれなりに大きい。
5ほかの高年収職と比べるとどうか
銀行員の中にも市場、投資銀行、M&A、高度な金融商品を扱う部門はある。ここまで行くと金融専門職に近くなり、年収も高くなりやすい。
ただ、この記事で言う銀行員はもっと一般的な総合職を想定している。
金融専門職が専門性と成果で早く高く稼ぐ仕事だとすれば、銀行員は大手金融機関の中で昇進して高年収になる仕事。似ているようでかなり違う。
総合商社とも似ているが、上振れは商社の方が強い
総合商社も、高収益企業、高い給与テーブル、組織内で昇進という意味では銀行に近い。
ただし一般的には総合商社の方が給与水準はさらに高く、1000万円への到達速度、その先の1500万円、2000万円という上振れも強い。
一方、銀行は業界規模が大きく採用人数も多い。
だから超高年収への強さなら商社。1000万円を狙う王道大企業ルートとしては銀行も強い。 このくらいに考えると分かりやすい。
5-1地方銀行だと話はかなり変わる
「銀行員なら1000万円」と聞いて、地方銀行でも同じだと思うと少し違う。
地方銀行でも役員や上位管理職なら1000万円を超える可能性はある。ただ、メガバンクと比べると給与水準は下がりやすく、地域差も大きい。
見るべきなのは職業名ではなく、その銀行で
- 30代にいくらになるか
- 40代にいくらになるか
- 管理職でいくらになるか
という給与テーブルだ。
ただし、目標が地方で600〜700万円なら話は変わる。このレンジでは地方銀行はかなり有力な選択肢になる。1000万円だと微妙でも、地方で600〜700万円なら現実味が高い。
6銀行員の強みは高年収と安定性のバランス
銀行員は、投資銀行のように3000万円、起業のように1億円を狙う世界ではない。
その代わり、
- 大企業
- 安定した雇用
- 社会的信用
- 高めの給与
- 福利厚生
をまとめて取りやすい。
つまり銀行員の強さは爆発力よりバランスにある。年収1000万円を目指しながら、会社員として安定して働きたい人にはかなり合っている。
給与以外の安定感も強い
収入そのものではないが、大手金融機関勤務という信用もある。住宅ローン、賃貸、カードなどで勤務先の安定性が評価されやすい。
これだけで仕事を選ぶ必要はないが、人生設計まで考えるなら給与以外の安定感も強い職業だ。
6-1銀行業界自体は変わっている
店舗削減、デジタル化、ネット銀行、フィンテック、AI、業務効率化。銀行の仕事は昔と同じではない。
昔なら大量の人員が必要だった業務も自動化されていくため、銀行員だから一生安泰という考え方は少し危ない。
これから価値が高くなりやすいのは、たとえば次のような領域だ。
- 法人金融
- M&A
- 事業承継
- 資産運用
- デジタル
- システム
- リスク管理
大手行に入るだけでなく、何を経験するかも重要になっている。
銀行員は会社への依存がかなり強い
医師や弁護士なら資格が自分についてくる。一方、銀行員には「銀行員免許」はない。
メガバンクで1000万円を取れていても、会社を辞めた瞬間に同じ年収を維持できるとは限らない。法人営業、金融知識、マネジメント、企画、審査などの経験は使えるが、高い年収の一部はメガバンクという会社の給与テーブルによって作られている。
ここは理解しておいた方がいい。
7医師・商社・コンサル・銀行を比較する
| 医師 | 総合商社 | コンサル | 銀行員 | |
|---|---|---|---|---|
| 高年収の理由 | 資格と医療需要 | 会社の高収益 | 人を高単価で売る | 大手行の給与テーブル |
| 1000万円への再現性 | かなり高い | かなり高い | 高い | メガバンクなら高め |
| 到達速度 | 中程度 | 比較的早い | 早い | やや遅い |
| 個人の成果依存 | 低め | 中程度 | 高い | 中程度 |
| 昇進の重要性 | 低め | 高い | 高い | かなり高い |
| 転職後の再現性 | 高い | 中程度 | 比較的高い | 中程度 |
| 主な弱点 | なるまで長い | 入社競争・転勤 | 激務・成果要求 | 出世競争・異動・会社依存 |
銀行員は飛び抜けた一つの強みがある仕事ではない。その代わり、かなりバランスがいい。
1000万円を堅実に狙うなら悪くない
世界トップレベルの技術者になる、営業でトップになる、起業を成功させる、司法試験に受かる。こうしたルートよりも、大手銀行に入り、会社の中で評価され、昇進して1000万円へ届く方が向いている人もいる。
特に、
- 組織で働くのが苦ではない
- 大きな失敗を避けたい
- 安定した会社員生活を送りたい
- 管理職になってもいい
- 異動や転勤をある程度受け入れられる
という人には、銀行員の1000万円ルートはかなり現実的だ。
7-1新卒でどこに入るかの影響は大きい
銀行員は後からでも転職できるが、1000万円への再現性を考えるなら新卒時点の会社選びはかなり大きい。
メガバンク、大手信託銀行、地方銀行では給与テーブルが違う。最初から1000万円まで伸びる会社に入るのか、あとから転職しないと届かない会社に入るのかでは、難易度が変わる。
だから銀行員を目指すなら、初任給だけではなく35歳、40歳でいくらになる会社なのかまで見ておきたい。
8まとめ
銀行員は年収1000万円を狙える仕事だ。特にメガバンクなど大手銀行の総合職で一定以上まで昇進できれば、1000万円はかなり現実的になる。
金融専門職のように若くして一気に稼ぐ仕事ではない。総合商社のように平均給与そのものが圧倒的に高いわけでもない。
それでも、大手企業の高い給与テーブルに乗り、順当に昇進した先に1000万円がある。かなり王道だ。
だから銀行員は、突出した能力で1000万円を取る仕事というより、組織の中で長く勝ち続けて1000万円を取る仕事と考えるのが近い。
ただし銀行員なら何でもいいわけではない。メガバンクなのか地方銀行なのか、何歳でどこまで昇進できるのかで差は大きい。
「銀行員は安定している」だけではなく、その銀行の給与テーブルはどこまで伸びるのかまで見て選びたい。