1結論:金融専門職は年収1000万円への距離がかなり近い

年収1000万円を狙う仕事として、金融専門職はかなり強い。

ここでいう金融専門職は、次のような仕事を想定している。

  • 投資銀行
  • M&A
  • PEファンド
  • アセットマネジメント
  • トレーディング
  • 一部のマーケット部門

銀行員全体や証券会社員全体が1000万円を狙いやすいという話ではない。

金融の中でも、大きなお金を動かし、その取引や運用から大きな利益を生む仕事が強い。

理由はかなり分かりやすい。数十億円、数百億円、数千億円という金額を扱い、会社に入る手数料や利益も大きい。

だから社員1人に1000万円、2000万円払っても採算が合う。

金融専門職が高年収なのは、難しそうな仕事だからだけではない。扱っている金額そのものが大きいからだ。

2金融の中でも高年収になりやすい仕事は限られる

金融業界は平均的に給与が高いと言われやすい。

ただ、銀行、保険、証券、カード、リース、運用会社、ファンドは全部同じではない。

同じ証券会社でも、支店営業、バックオフィス、投資銀行、マーケットでは給与水準がかなり違う。

だから金融業界に入れば1000万円ではない。

もっと大事なのは、金融の中で何をやるか。

1000万円への距離が近いのは、会社の利益に直結しやすく、1人あたりが扱う金額も大きい仕事だ。

2-1投資銀行

代表的なのが投資銀行だ。

企業が会社を買収する、事業を売却する、株式や社債を発行する、大型資金調達をする。こうした場面を支援する。

たとえば企業買収が1000億円規模なら、案件から会社に入る手数料も大きくなりやすい。

もちろん案件ごとに条件は違う。

それでも、1件の案件から会社に入る売上がかなり大きくなりやすい。

だから案件を取ってくる人、案件を実行する人、専門知識を持つ人に高い報酬を払える。

これが投資銀行の強さだ。

2-2M&A

M&A仲介やFAも似ている。

会社を売る、会社を買う、その取引を支援する。

売却金額が数億円、数十億円、さらに大きい場合もある。そこから手数料を取るため、1件成約したときの売上も大きい。

特に成果報酬型の会社では、案件を成約した人に報酬を大きく還元できる。

その結果、若くても1000万円、成果が大きければ2000万円以上ということも起こる。

ただし当然、案件が取れない、成約しないとなれば報酬は伸びにくい。

M&A系は、上限が高い代わりに成果差も大きい仕事だ。

2-3PEファンド

PEファンドも高年収になりやすい。

会社を買い、経営改善し、成長させ、数年後に売却して大きな利益を出す。

扱う対象そのものが企業なので、数十億円、数百億円という世界になる。

投資判断、財務分析、経営改善、売却を担える人材の価値も高い。

ファンドによっては投資成果に連動した報酬もあるため、上振れもかなり大きい。

ただしPEファンドは採用人数が少なく、投資銀行、コンサル、事業会社の経営企画などを経験してから入る人も多い。

つまり高年収だが入口はかなり狭い。

2-4アセットマネジメント

資産運用も同じ構造だ。

個人のお金ではなく、機関投資家、年金、企業、富裕層など大きな資産を運用する。

1000億円を運用している人が1%運用成績を改善すれば10億円。もちろん実際の報酬計算はそんな単純ではない。

それでも、少しの判断差が巨大な金額につながることは分かりやすい。

だから優秀な運用人材には高い報酬を払いやすい。

2-5トレーディング

金融市場で株、債券、為替、デリバティブなどを売買する仕事も高収入になりやすい。

トレーダーの特徴は、結果がかなり数字で見えやすいことだ。

いくら利益を出したかが分かりやすいので、会社に大きな利益をもたらした人には高い報酬を払う理由も明確になる。

逆に結果が出なければ厳しい。

つまり成果と報酬がかなり近い仕事だ。

営業と似ているが、扱っているものが金融市場なので金額のスケールがさらに大きくなりやすい。

3金融専門職が高年収になる本当の理由

金融専門職を見ると、金融知識、英語、数学、財務、長時間労働などに目が行きやすい。

もちろん全部関係ある。

ただ、難しい仕事なら何でも高給になるわけではない。

世の中には、難しくて専門性も高く責任も重いのに、そこまで給料が高くない仕事も普通にある。

金融専門職が高年収なのは、難しい仕事だからというより、その難しさが大きな金額に直結しているから。

ここが重要だ。

3-11人が生む利益が大きい

会社側から見ると分かりやすい。

年収1000万円は高い。

でも、その人が年間1億円多く利益を作るなら、1000万円払っても会社にはかなり残る。

さらに10億円の価値を生むなら、2000万円払っても安い。

もちろん金融機関の利益構造はそんな単純ではない。

それでも考え方としては、社員が生む利益に対して給与が決まる。

金融専門職は1人が生む利益の上限が大きい。だから給与の上限も高くなる。

3-2成果報酬で上振れしやすい

金融専門職では、基本給だけでなく賞与、ボーナス、インセンティブが大きい仕事もある。

普通の会社員なら頑張っても賞与が少し増える程度ということも多い。

金融専門職では会社、部署、個人の成果次第で報酬が大きく変わることがある。

つまり成果が大きければ給与テーブルを超えて上に行きやすい。

ここが魅力だ。

ただし当然、悪い年は下がる。安定性は少し落ちる。

3-31000万円までの到達が早い

金融専門職の強みは、1000万円に届くまでのスピードだ。

一般的な会社員なら課長や部長になるまで待ち、40代で1000万円ということも多い。

投資銀行や一部の金融専門職なら、20代後半や30代前半で1000万円が見えることもある。

もちろん簡単ではない。かなり働くし、成果も必要だ。

それでも、若いうちから1000万円を狙える給与構造そのものがある。

これはかなり大きい。

41000万円は近いが手堅い仕事ではない

医師と比べると分かりやすい。

医師は普通に医師として働けば1000万円が見える。

金融専門職は、入社、配属、成果、昇進、市況、会社業績など多くの要素に左右される。

だから1000万円への距離は近いが、誰でも安定して1000万円を超えるわけではない。

金融専門職は高い下限を持つというより、高い上限と早い到達速度を持つ仕事と考えたい。

入るまでがかなり難しい

高年収で若くても稼げて、大きな仕事ができる。

当然人気になり、競争も強い。

投資銀行、大手運用会社、有力ファンドなどは採用人数も多くない。

学歴、英語、財務知識、論理性、面接、インターンなどかなり見られる。

だから「金融専門職が高給らしいから転職しよう」で簡単に入れる世界ではない。

特にPEファンドのような領域は未経験採用も少ない。

中途で入り直すルートもある

ただし完全に新卒限定でもない。

たとえば、

  • コンサル
  • 会計士
  • 商社
  • 事業会社の経営企画
  • 金融機関
  • M&A

こうした経験から投資銀行、ファンド、運用へ移ることはある。

最初から金融専門職に入れなかったら終了というわけではない。

ただ、近い経験を積んでおいた方が圧倒的に入りやすい。

キャリア設計はかなり重要だ。

労働時間も重くなりやすい

金融専門職はかなり忙しい仕事も多い。

特に投資銀行やM&Aでは、大型案件になると顧客都合、案件スケジュール、海外との時差、締切に振り回されやすい。

資料、財務モデル、デューデリジェンス、契約、交渉、急な変更などもある。

だから1000万円を早く取れる代わりに、若いうちの時間もかなり使う。

これは覚悟が必要だ。

時給では圧倒的でないこともある

年収1200万円はかなり高い。

ただ、毎日長時間働き、休日も仕事なら、時給で見るとそこまで圧倒的ではないこともある。

もちろん将来のキャリア価値や経験もある。

それでも、年収だけ見て選ぶと「思ったより割に合わない」と感じる可能性はある。

何時間働くのか、何歳まで続けたいのかまで見た方がいい。

4-1市況の影響を受ける

金融の弱点として大きいのが、景気や市場の影響を受けやすいことだ。

  • 金利
  • 株式市場
  • M&A市場
  • IPO市場

市場が良ければ案件も増え、ボーナスや採用も増える。

逆に悪くなれば案件が減り、賞与が下がり、採用が止まり、リストラが起きることもある。

医療のように景気に関係なく需要が安定している仕事とは違う。

つまり高年収だが景気変動には弱い。

成果プレッシャーも強い

高い給料を払う代わりに、会社も結果を求める。

投資判断、案件獲得、運用成績、売上、利益がかなり数字で見える。

だから結果が出なくても年功序列でゆっくり上がるという世界とは相性が悪い。

成果が高いから報酬も高い。

高年収の理由そのものがプレッシャーにもなる。

学び続ける必要がある

金融専門職は入ったあとも勉強が必要だ。

  • 会計
  • 企業価値評価
  • 金融市場
  • 法律
  • 税務
  • マクロ経済
  • 業界知識
  • 商品知識

かなり広い。

市場も規制も商品も変わる。

だから一度覚えたら終わりの仕事ではない。

知識を更新し続ける必要がある。

5ほかの高年収職と比べるとどうか

総合商社も大きな金額を扱い、金融専門職も大きな金額を扱う。

ただ、高年収の構造は少し違う。

総合商社は、高収益企業の高い給与テーブルに乗る。

金融専門職は、個人やチームが生む利益に高い報酬をつける。

だから金融の方が、成果による年収差が大きくなりやすい。

コンサルとの違い

コンサルは人を高単価で売る。

金融専門職は、金そのものを使ってさらに大きな金を作る。

コンサルタントを月300万円で売るのも高単価だが、金融では100億円の企業買収、1000億円の資産運用といった金額を扱う。

その分、報酬の上限も大きくなりやすい。

5-1医師・商社・コンサル・金融を比較する

医師総合商社コンサル金融専門職
高年収の理由資格で供給制限会社の収益力人を高単価で売る扱う利益・金額が大きい
1000万円への距離近い近い近いかなり近い
若いうちの1000万円普通狙える狙える狙いやすい
収入の安定性高い高め中程度中程度
上振れ高い高い高いかなり高い
中途参入難しいやや難しいしやすい職種による
主な弱点なるまで長い入社競争激務・成果要求激務・市況・成果要求

金融専門職は、早く高く稼ぐという意味ではかなり強い。

ただし、安定して1000万円という意味では医師ほどではない。

6金融専門職に向いている人

金融専門職は、

  • 若いうちから高年収を狙いたい
  • 数字を扱うのが苦ではない
  • 企業や投資に興味がある
  • 成果で評価されたい
  • 競争のある環境が苦ではない
  • プレッシャーに比較的強い
  • 忙しい時期も受け入れられる
  • 将来さらに高い年収も狙いたい

という人にはかなり合う。

逆に、安定したペースで働きたい、労働時間をかなり重視したい、成果競争が苦手、景気に左右されたくないという人には合わない可能性がある。

7まとめ

金融専門職は、年収1000万円を狙いやすい仕事だ。

特に投資銀行、M&A、PEファンド、アセットマネジメント、一部のマーケット部門などは強い。

理由はかなりシンプルで、扱っている金額が大きい。

数十億円、数百億円、数千億円の取引や運用から大きな利益が生まれる。だからそこで働く人にも高い報酬を払える。

さらに成果報酬も大きく、若いうちから1000万円を超える可能性がある。その先の2000万円、3000万円、さらに上まで狙える仕事もある。

ただし、楽ではない。

入るのも難しく、仕事も忙しい。成果プレッシャーもあり、市況にも左右される。

だから金融専門職は、安定して1000万円をもらう仕事というより、高い成果を出して早く大きく稼ぐ仕事。

高年収だけを見ればかなり強い。

でも、その代わりに何を求められるかまで見たうえで選びたい。