1結論:夫婦の財布は共同口座+別財布がちょうどいい

結婚した。

だから、夫婦の給料をすべて一つの口座に入れる。

片方が家計を管理して、もう片方は毎月決められた小遣いをもらう。

この形が合う夫婦もいる。

でも、全員がそうする必要はない。

むしろ共働き夫婦なら、

家族として必要なお金だけ共同化し、残りはそれぞれ自由に管理する

くらいがちょうどいいと思う。

例えば、共同口座から出すのは、

  • 家賃・住宅ローン
  • 食費
  • 水道光熱費
  • 通信費
  • 子どもの費用
  • 家族旅行
  • 保険
  • 教育費積立
  • 夫婦共通の貯蓄

など。

そこへ毎月それぞれ必要額を入れる。

そして、残ったお金は各自で管理する。

服を買う。

趣味に使う。

友達と飲みに行く。

ゲームを買う。

美容に使う。

自分で貯金する。

そこまで夫婦で逐一許可を取り合う必要はない。

結婚とは共同生活を作ることであって、お互いの経済的自由をすべて放棄することではない。

2完全別財布には弱点がある

夫婦それぞれが完全に別財布。

家賃は夫。

食費は妻。

旅行はその都度折半。

貯金もそれぞれ。

これでも、子どもがいない共働き夫婦なら案外回る。

収入も安定していて、それぞれ十分な貯蓄ができているなら、大きな問題にならないこともある。

ただし、完全別財布には一つ大きな弱点がある。

世帯としていくら使い、いくら残しているのか分かりにくい。

夫は、

「毎月10万円貯金しているだろう。」

と思っている。

妻も、

「相手がちゃんと貯金しているだろう。」

と思っている。

実際には二人ともあまり貯めていない。

こういうことが起きる。

家を買う。

子どもを大学へ行かせる。

どちらかが仕事を辞める。

こういう大きなイベントでは、個人の財布だけでなく世帯全体の資産が重要になる。

だから、財布を分けるとしても、

家族としていくら貯めるのか

だけは共同で決めておいた方がいい。

3逆に全部一緒にすると自由がなくなりやすい

では、全部共同財布にすればいいのか。

これにも問題がある。

例えば夫婦の給与をすべて一つの口座へ入れる。

その口座を妻が管理する。

夫は毎月3万円。

あるいは逆に、夫が全部管理して妻に生活費を渡す。

本人たちが納得しているなら問題ない。

でも、片方が本当は嫌なのに、

「結婚したんだから普通。」

「家族なんだから給料を全部渡して。」

と言われて従っているなら、かなり不健全だと思う。

自分で働いて得た収入なのに、

「この服買っていい?」

「飲みに行っていい?」

「趣味に5万円使っていい?」

と毎回許可を求める。

一方、管理している側は比較的自由に使える。

こうなると、

お金の問題というより、夫婦間の権力の問題

になってくる。

家計を管理する必要はある。

でも、家計管理を理由に片方だけが不自由になる必要はない。

4一番避けたいのは片方だけに我慢を集中させること

夫婦のお金のルールで最も避けたいのは、

片方だけに一方的な不自由を押しつけ、その不満を長期間ためさせること。

例えば、

夫は小遣い3万円。

でも妻は家計管理者なので、美容やランチにいくら使っているか夫には分からない。

逆でも同じ。

夫が給与を管理し、

妻には最低限の生活費しか渡さない。

これでは公平感がない。

そして、お金に関する不公平感は積み重なりやすい。

毎月3万円。

毎月何かを我慢する。

それが5年、10年続く。

一回の大喧嘩より、こういう小さい不満の蓄積の方が夫婦関係を弱らせることもある。

だから、

家計を効率化するために、夫婦関係を悪化させない

ことの方が大事だと思う。

5「共同部分」と「個人部分」を最初から分ける

一番シンプルなのは、お金を二種類に分けること。

5-1家族のお金

家族として必要なお金。

例えば、

  • 住居費
  • 食費
  • 光熱費
  • 日用品
  • 子どもの費用
  • 家族旅行
  • 保険
  • 住宅購入資金
  • 教育費
  • 老後資金
  • 生活防衛資金

これは共同で管理する。

夫婦のどちらかだけの問題ではない。

5-2個人のお金

家族生活とは直接関係しない個人的な支出。

例えば、

  • 趣味
  • 美容
  • 友人との交際費
  • 個人旅行
  • ゲーム
  • コレクション
  • 自分だけが使う高額商品

これは各自で管理する。

もちろん金額が極端に大きければ話し合う必要はある。

でも、毎月決められた範囲で使うなら、相手に一つずつ説明する必要はない。

この区切りを作るだけでも、かなり揉めにくくなる。

6共同口座への入金は50対50でなくてもいい

では、共同口座にいくらずつ入れるか。

ここも夫婦によって違う。

夫の手取り40万円。

妻の手取り25万円。

毎月の共同支出30万円。

単純に15万円ずつ入れる方法もある。

でもこれだと、

夫は25万円残る。

妻は10万円しか残らない。

同じ15万円でも負担感はかなり違う。

だから収入差が大きいなら、

手取りに応じて負担割合を変える

という方法もある。

例えば手取り比率が、

夫60%。

妻40%。

なら、共同費30万円を、

夫18万円。

妻12万円。

とする。

これなら負担率は近くなる。

重要なのは、「絶対に折半が公平」と思わないことだ。

公平と平等は同じではない。

7ただし高収入側だけが無限に負担する必要もない

逆に、

「夫の方が稼いでいるんだから全部払って。」

も当然ではない。

共働きで妻にも十分な収入があるなら、家族の生活費を共同で負担するのは自然だと思う。

一方が稼いだお金だけで家庭を維持し、もう一方の給与はすべて個人資産。

これも、本人たちが納得していないなら不公平感が出やすい。

結局、

どちらか一方だけが得をするルールを作らない

ことが大事。

夫が高収入だから多めに出す。

妻も自分の収入に応じて出す。

そして二人とも一定の自由費を残す。

これくらいが現実的だと思う。

8子どもができたら財布のルールは作り直した方がいい

夫婦二人のときと、子どもができた後では状況が変わる。

だから結婚したときに決めた家計ルールを、そのまま20年間使う必要はない。

特に出産前後では、

  • 産休・育休で収入が落ちる
  • 時短勤務になる
  • 残業できなくなる
  • 昇進や転職の選択肢が変わる
  • 保育料が発生する
  • 子どもの生活費が増える
  • 教育費を貯める必要が出る
  • 家事育児の負担が増える

という変化が起きる。

ここで、出産前と同じ負担額を維持すると不公平になりやすい。

例えば、

夫手取り40万円。

妻手取り25万円。

共同費は月30万円。

以前は夫18万円、妻12万円。

それでうまくいっていた。

でも出産後、妻の手取りが育休や時短で15万円になった。

それでも妻に12万円を入れさせれば、自由に使えるお金は3万円しか残らない。

一方、夫には22万円残る。

しかも妻側の収入減が、単なる本人都合ではなく、二人の子どもを産み育てることで発生しているなら、その差を無視するのはおかしい。

この場合は、共同口座への負担割合を変えればいい。

9出産による収入減は個人だけの負担にしない

ここは特に重要。

妊娠、出産、育児によって一方の収入が減る。

その減少を、

「あなたの年収が下がっただけ。」

と考えない方がいい。

子どもは夫婦二人の子どもだからだ。

例えば妻が時短勤務を選び、その結果として年収が100万円下がった。

家族全体として見れば、

育児のために世帯が100万円の機会費用を払っている

とも言える。

だから、

妻の収入だけ減る。

妻の自由費だけ減る。

妻の貯金だけ減る。

では、負担が一方に集中する。

これは財布設計の問題というより、育児負担の分配の問題になる。

夫側が時短や育休を取る場合も同じ。

家族のために発生した収入減は、家族全体で吸収する。

この考え方の方が自然だと思う。

10子どもができても個人の自由費は残した方がいい

ただし、

「子どもができたんだから、二人とも自由費ゼロ。」

にする必要もない。

子どもが生まれればお金はかかる。

教育費も貯めたい。

だから支出を抑える必要はある。

でも、親になった瞬間に個人としての人生が完全になくなるわけではない。

趣味。

友達。

服。

美容。

一人で出かける。

こういうお金も多少は必要だと思う。

だから、家計が許す範囲で、

夫婦それぞれに自由に使えるお金を残す。

しかも、その額が極端に偏らないようにする。

これが重要。

収入差があるから自由費も完全に収入比例にするのか。

同額にするのか。

そこは夫婦で決めればいい。

ただ、

片方だけ毎月10万円自由。

もう片方は1万円。

本人が不満。

という状態を何年も放置しない方がいい。

11ボーナスもルールを決めておくと揉めにくい

ボーナスも揉めやすい。

毎月の給与は共同口座に入れている。

でもボーナスはどうする。

全部共同貯蓄。

半分共同。

全部個人。

どれでもいい。

重要なのは、発生するたびに揉めないこと。

例えば、

「ボーナスの50%は共同貯蓄、残りは本人。」

でもいい。

「住宅購入までは70%共同。」

でもいい。

ルールがあれば、

「ボーナス入ったんでしょ?」

「それ俺の金なんだけど。」

という話になりにくい。

12独身時代の貯金まで全部共同化しなくていい

結婚前から持っていた資産も、心理的にはかなり重要だ。

夫が独身時代に500万円貯めている。

妻は200万円。

結婚したから翌日から700万円を完全共同資産として扱う。

これを嫌だと思う人がいても不自然ではない。

独身時代に自分で貯めたお金は、そのまま個人資産として管理してもいい。

そのうえで、

住宅購入時にいくら出すか。

家族の緊急時に使うか。

などを相談すればいい。

何でも一つにまとめることだけが夫婦ではない。

13お互いの資産状況はある程度見えるようにする

別財布にはする。

だから、

「俺がいくら持っているかは絶対に教えない。」

「妻の貯金額も知らない。」

まで行くと、今度は共同生活の計画が立てにくい。

住宅。

子どもの教育。

老後。

これらは世帯単位の話だからだ。

だから個人口座の細かい明細まで共有する必要はなくても、

  • 現在の貯蓄額
  • 投資額
  • 借金
  • 奨学金
  • ローン
  • 毎月どれくらい貯めているか

くらいは共有しておいた方がいい。

自由は残す。でも重大な情報は隠さない。

ここは別財布を成立させるための重要な条件だと思う。

14家計管理が得意な方が管理しても支配はしない

夫婦のどちらかが数字に強い。

家計簿も苦にならない。

投資も詳しい。

なら、その人が中心になって家計を管理するのは合理的だ。

でも、

管理担当=所有者

ではない。

妻が家計を管理しているから、夫は家計について何も知らない。

夫が投資を管理しているから、妻は資産額を知らない。

これは避けたい。

家族のお金である以上、双方が最低限は把握できるようにする。

管理は任せてもいい。

決定権まで全部渡す必要はない。

15夫婦の財布に唯一の正解はない

もちろん、完全共同財布でもうまくいく夫婦はいる。

完全別財布でもうまくいく。

夫が全部管理。

妻が全部管理。

小遣い制。

全部あり。

だから、

「共同口座+別財布以外は間違い。」

という話ではない。

重要なのは、

  • 二人とも納得している
  • 必要な生活費が確保されている
  • 家族として貯蓄できている
  • 一方だけに負担が偏っていない
  • お互いに一定の自由がある
  • 重要な資産や借金を隠していない

こと。

この条件を満たせるなら、細かい方式は家庭ごとに違っていい。

ただ、最初から設計するなら、

共同口座+個人口座

はかなりバランスがいいと思う。

16結論:家族のお金は共同化しても、個人の自由まで共同化しなくていい

夫婦になると、お金を完全に別物として扱うのは難しくなる。

家。

子ども。

教育。

旅行。

老後。

人生の大きな支出はほとんど共同だからだ。

だから、家族として必要なお金は一緒に管理した方がいい。

でも、

だからといって、

給料を全部相手に渡す。

毎月小遣いをもらう。

何か買うたび許可を求める。

という形にする必要はない。

共同口座へ家族に必要なお金を入れる。

共同貯蓄も作る。

そのうえで残りは各自で管理する。

子どもができた。

育休に入った。

時短になった。

転職して収入が変わった。

その都度、負担割合を見直す。

それでいい。

夫婦のお金で一番避けたいのは、

片方だけに一方的な不自由を押しつけ、それを「家族だから」で正当化すること。

家計管理の目的は、相手を管理することではない。

家族として必要なお金を確保しながら、二人とも納得して生活できる状態を作ることだ。

だから、

家族のお金は共同で考える。でも、個人として自由に使えるお金も残す。

夫婦の財布は、そのくらいがちょうどいい。