1結論:生活費に困っていないならバイトより有給インターンを優先した方がいい
大学生になると、多くの人がアルバイトを始める。 飲食店、コンビニ、塾、カフェ、居酒屋など、普通のアルバイトにも価値はあり、お金を稼げるだけでなく接客や職場の人間関係を経験できる。
ただ、生活費をどうしても稼がないといけないわけではなく、同じ時間を働くなら、普通のアルバイトより有給インターンを優先した方がいいと思う。 理由は単純で、大学時代の時間はかなり貴重だからだ。
有給インターンなら、給与に加えて次のようなものが残る可能性がある。
- 実務経験
- スキル
- 職種理解
- 業界理解
- 社会人との接点
- 失敗経験
- 就活で話せる経験
同じ100時間を使うなら、今いくら稼げるかだけではなく、その100時間が卒業後に何を残すかまで考えたい。 大学時代は、今の時給を最大化するより、卒業後の時給を上げる方が重要だと思う。
2大学生の時間は「今いくら稼げるか」だけで考えない方がいい
例えば時給1,300円のアルバイトを100時間やれば、13万円になる。 これは分かりやすいし、その13万円にも当然価値はある。
ただ、大学生活は4年間ある。 週に10時間、15時間と働けば、卒業までに使う時間はかなり大きくなり、その時間を何に使うかによって卒業時に持っている経験やスキルは変わる。
例えば大学時代に、
- 営業を経験する
- マーケティングを学ぶ
- プログラミングをする
- 企画を考える
- 法人顧客と話す
- 数字を分析する
- チームで成果を出す
といった経験を積めば、その後の職種選びや就職先の幅が広がる可能性がある。
極端に言えば、大学時代に100万円多く稼ぐより、卒業後の年収が毎年50万円高くなる方が人生への影響は大きい。 大学生の時間には、今のお金を稼ぐ価値だけでなく、将来の収入を上げるための投資価値もある。
3有給インターンは社会人の仕事を学生のうちに試せる
有給インターンの大きなメリットは、社会人が実際にやっている仕事に近い経験を学生のうちに試せることだ。 普通のアルバイトでも仕事は経験できるが、有給インターンの方が卒業後の職種と直接つながる業務に触れやすい。
例えば営業なら、
- 顧客候補を探す
- 電話やメールで接点を作る
- 商談する
- 提案する
- 数字を追う
- 結果を振り返って改善する
といった仕事を経験できる。
マーケティングなら、
- 広告やSNSを運用する
- 記事やコンテンツを作る
- データを見る
- 施策を考える
- 結果を見て改善する
といった仕事に触れられる。
エンジニアなら、
- コードを書く
- レビューを受ける
- バグを直す
- チームで開発する
- 実際にサービスをリリースする
という経験ができる場合もある。
もちろん、すべての有給インターンがここまで仕事を任せてもらえるわけではない。 それでも、普通のアルバイトより卒業後にやる仕事との距離が近いものを選びやすいのは大きな違いだと思う。
4学生のうちに仕事選びで失敗できる
有給インターンの価値として、かなり大きいと思うのが、学生のうちに仕事選びで失敗できることだ。
例えば、
- 営業に向いていると思っていたけど、実際にやったらかなり苦痛だった
- 広告やマーケティングに憧れていたけど、実務をやると想像と違った
- エンジニアには興味がなかったけど、やってみたら意外と面白かった
という発見があってもいい。
これは全部、学生のうちに分かるなら価値がある。 学生ならインターンを辞めて別の仕事を試せるが、新卒入社後に同じことに気づくと、今度は転職や職種変更の話になってくる。
会社を辞める必要があるかもしれないし、次の会社では短期離職の理由を説明する必要も出てくる。 だから、キャリア選択の失敗は学生時代にやった方が安い。
有給インターンは単なる就活対策ではなく、お金をもらいながら職業選択を試せる場所として使える。
5自立性と協調性を鍛えやすい
就活でアピールしたいのは、単に「すごい経験をしました」ということではない。 自分で考えて仕事を前に進められることと、周囲と一緒に成果を出せること、つまり自立性と協調性が重要だと思う。
有給インターンは、この二つを鍛えやすい。 例えば営業インターンで、言われた通りに100件電話するだけなら、そこまで強い経験にはならない。
一方で、
- 商談につながらない原因を考える
- 顧客属性ごとに結果を整理する
- 社員に相談する
- トークを変える
- 対象企業を変える
- 数字を見てまた修正する
ところまでできれば、かなり仕事に近くなる。
そこには、課題を見つける → 自分で考える → 周囲に相談する → 実行する → 結果を見る → 改善するという流れがある。 これは社会人になってからもそのまま使う。
だから有給インターンは、就活で話すためだけではなく、実際に仕事で必要になる力を先に試す場所としても強い。
6社会人と働く経験にも価値がある
大学生活では、どうしても同世代との接点が多くなる。 授業、サークル、ゼミ、友人関係など、基本的には学生同士で完結しやすい。
でも会社に入ると、年齢も立場も違う人と仕事をする。 上司、同僚、顧客、取引先など、相手に応じてコミュニケーションの取り方も変わる。
有給インターンでは、学生のうちから社会人と一緒に働ける。 そこで次のようなことを経験できる。
- 質問はどのタイミングでするか
- どこまで自分で調べてから聞くか
- 報告はどのくらいの頻度でするか
- 期限に間に合わなそうなときどうするか
- 相手が忙しいときどうコミュニケーションを取るか
- フィードバックをどう受け止めるか
一つひとつは小さいが、新卒で会社に入ったときにはかなり効いてくる。 会社で働くということ自体への慣れが、学生のうちにできるからだ。
7就活でも話しやすい
もちろん、有給インターンは就活との相性もいい。 ただし、「長期インターンをしていました」だけでは強くない。
重要なのは、その中で何を考えて、何を変えたかだ。
例えば「営業インターンを1年間しました」よりも、「最初は商談化率が低かったため顧客属性ごとに結果を整理し、社員と相談して対象企業とトークを変え、その結果を見ながら改善した」と話せた方が、仕事の再現性は伝わりやすい。
そこには、
- 自分で考えたこと
- 判断したこと
- 周囲と協力したこと
- 実行したこと
- 失敗したこと
- 改善したこと
- 結果が出たこと
が見えるからだ。
企業が新卒採用で見たい「将来仕事ができそうか」というポテンシャルを説明しやすい。 だから、有給インターンはガクチカを作るためにやるというより、仕事に近い経験を積んだ結果として、就活でも話しやすくなると考えた方がいい。
8普通のバイトにも価値はある
ここまで有給インターンを勧めてきたが、普通のアルバイトに価値がないわけではない。 飲食店なら接客や忙しい時間帯の連携を経験できるし、塾なら人に教える力、販売なら顧客との会話を経験できる。
初めて自分で働いてお金をもらうこと自体にも意味がある。 特に大学1年生の最初なら、普通のアルバイトを一度経験してみるのもいいと思う。
大学とは別の人間関係もできるし、学生だけではない職場に入る経験にもなる。 だから、この記事は「大学生は絶対にバイトするな」という話ではない。
問題なのは、目的もないまま大学4年間ずっと同じアルバイトを続けることだと思う。
9慣れたバイトを惰性で4年間続けない方がいい
大学1年生でカフェのバイトを始めたとする。 最初は接客、レジ、仕事の段取り、職場の人間関係など、初めて経験することが多く、学ぶことも多い。
でも、2年、3年と続けるうちに慣れてくる。 同じ仕事を繰り返す時間が増え、学びよりも「慣れているから続ける」という要素が強くなることもある。
もちろん、慣れた仕事は楽だし、シフトも入りやすいので、そのまま4年間続けるのは自然なことだ。 ただ、大学生活の限られた時間を使うなら、「この仕事を続けることで、まだ新しいものが残っているか」は一度考えた方がいい。
もしほとんど残っていないなら、
- 有給インターンへ切り替える
- 別の職種を試す
- ゼミや研究に時間を使う
- 個人開発をする
- 留学する
- サークル運営に時間を使う
といった別の使い方もある。
「慣れているから」という理由だけで4年間を使い切らない方がいい。
10有給インターンなら何でもいいわけではない
一つ注意したいのは、有給インターンという名前だけで選ばないことだ。 有給インターンの中にも、実質的には普通のアルバイトとあまり変わらないものがある。
例えば、
- 単純作業だけを延々と続ける
- 大量の電話だけをかける
- データ入力だけをする
- 社員からほとんどフィードバックがない
- 何カ月働いても任される仕事が変わらない
ような環境だと、せっかくインターンをする意味が薄い。
選ぶときは、
- 自分で考える余地があるか
- 社員からフィードバックを受けられるか
- 実際の業務に近いか
- 数字や成果を追えるか
- 少しずつ任される範囲が増えるか
- 興味のある職種を経験できるか
を見た方がいい。
時給が100円高いかどうかより、こちらの方が重要だと思う。
11大学1年生ならいろいろ試していい
有給インターンも、最初から一つに決める必要はない。 大学1年生なら、むしろ営業、マーケティング、採用、エンジニア、企画など、興味があるものをいろいろ試していいと思う。
自分に何が向いているかは、実際にやらないと分からない。 学生時代のメリットは、方向転換のコストが小さいことだ。
「合わなかった」と思えば変えればいいし、大学2年、3年になるにつれて「この分野をもう少し深くやりたい」と思ったものに時間を寄せていけばいい。 だから有給インターンは、最初から就活の正解を探す場所というより、自分の仕事適性を知る実験くらいに考えていい。
12生活費を稼ぐ必要があるなら普通のバイトでもいい
もちろん、有給インターンが常に最適とは限らない。 生活費を自分で稼ぐ必要がある、奨学金だけでは足りない、夜や土日にしか働けない、学業が忙しい、自宅から通える場所にインターン先がないといった事情があるなら、普通のアルバイトの方が現実的なこともある。
有給インターンは平日日中の勤務を求められる場合もあるし、通勤時間が長いこともある。 だから、生活条件を無視してまでやる必要はない。
ただ、選択肢があるなら、収入だけではなく経験まで含めて「時給」を考えるという発想は持っておいた方がいい。
13結論:大学時代は今の時給より卒業後の時給を上げたい
大学生活は4年間しかない。 その中で何百時間、場合によっては何千時間も働くことになるから、どうせ時間を使うなら、その時間からできるだけ多くのものを持ち帰った方がいい。
有給インターンなら、給与に加えて、
- 実務経験
- スキル
- 職種理解
- 業界理解
- 社会人との接点
- 失敗経験
- 自立性と協調性
- 就活で話せる経験
まで残る可能性がある。
普通のアルバイトにも価値はある。 でも、生活費のためにどうしても必要というわけではなく、大学生活の時間をどう使うか自由に選べるなら、有給インターンを一度は経験した方がいいと思う。
特に、大学3年、4年まで惰性で同じアルバイトを続けるくらいなら、その前に一度、「この時間を卒業後につながる経験へ変えられないか」と考えてみたい。
大学時代は、今の時給を上げることより、卒業後の時給を上げることに時間を使った方がいい。