1結論:大手メーカーでも1000万円は狙えるが再現性は高くない
大手メーカーでも年収1000万円は狙える。
自動車、化学、電機、機械、素材、半導体関連などの大手企業で管理職まで上がれば、1000万円を超える人はいる。
だからメーカーでは1000万円を稼げないという話ではない。
ただ、医師、総合商社、コンサル、金融専門職、メガバンクと比べると、1000万円への再現性はそこまで高くない。
メーカーは売上が大きくても、工場、設備、原材料、物流、研究開発、在庫、人員などにかなりお金がかかる。
つまり会社が大きいからといって、社員1人に高い給料を払い続けやすいとは限らない。
2メーカーで給与上限が上がりにくい理由
メーカーには売上10兆円、20兆円といった巨大企業もある。
ただ、売上と利益は違う。
製品を作るには、
- 原材料
- 工場
- 機械
- 電気
- 物流
- 研究開発
- 品質管理
- 販売
などかなりのコストがかかる。
だから売上の大きさほど自由に使える利益は残らない。
これがメーカーの基本構造だ。
2-1利益率が低いと給与アッパーも上げにくい
年収1000万円、1500万円、2000万円といった給与を大量の社員に払うには、それだけの利益が必要になる。
利益率が高い会社なら売上100億円から20億円残るかもしれない。
でも利益率が低ければ、100億円売っても数億円しか残らない。
メーカーは製造そのものにコストがかかるため、利益率が高くなりにくい会社も多い。
その結果、社員の給与もある程度で頭打ちになりやすい。
もちろん高利益率のメーカーもある。ただ、メーカー全体で見ると、金融、コンサル、ソフトウェア、商社のような高利益型ビジネスより給与アッパーは作りにくい。
社員数が多い
大手メーカーは何万人、場合によってはグループ全体で10万人以上の組織になる。
利益を大量の社員、研究開発、工場、設備投資、株主還元などへ分ける必要がある。
だから会社全体で何千億円の利益が出ていても、社員1人あたりにするとそこまで圧倒的ではないこともある。
総合商社との違いはここが大きい。
2-2総合商社との違いは1人あたり利益
総合商社も巨大企業だが、工場で大量の商品を自社製造するメーカーとは構造が違う。
投資、資源、トレーディング、事業運営などを通じて大きな利益を出す。
しかも従業員数は巨大メーカーほど多くない。
だから1人あたりの利益がかなり大きくなりやすい。
その結果、1000万円、1500万円、2000万円と払っても会社に利益が残りやすい。
メーカーはこの「1人あたり利益」の部分で不利になりやすい。
31000万円には管理職か高度専門職が必要になりやすい
大手メーカーで1000万円を狙うなら、多くの場合は課長や部長など管理職になる必要がある。
20代や30代前半で普通に働いて1000万円というケースはそこまで多くない。
30代後半から40代で管理職へ上がり、そこで1000万円が見えてくる。
つまり1000万円までの距離が長い。
さらに全員が管理職になれるわけでもない。
3-1管理職ポストには限りがある
会社員の出世には当然枠がある。
社員100人に対して管理職30人、部長5人というように、全員を課長にはできない。
だから1000万円に届くために管理職が必要なら、その時点で1000万円を取れる人は一部になる。
医師なら全員が病院長になる必要はなく、勤務医として専門職を続けても高収入になりやすい。
メーカーは専門職のまま1000万円を取れる会社もあるが、一般的には管理職ルートの方が強い。
ITエンジニアと似ている
ITエンジニアも1000万円は狙えるが、普通に経験を積めば自動的に届くわけではない。
高給企業、高度専門職、テックリード、EMなど、どこかで上位層に入る必要がある。
メーカーも似ている。
普通に勤めて600万円、700万円、800万円まではかなり見えやすい。
でも1000万円になると、管理職や高度専門職などもう一段上へ行く必要がある。
つまり、800万円までは比較的再現性が高いが、1000万円から一気に難しくなるタイプだ。
3-2ITエンジニアより会社依存が強い
ITエンジニアには、転職、外資、フリーランス、海外という逃げ道がかなりある。
メーカー社員は、自社製品、自社工程、自社設備、社内調整など会社固有の経験も多い。
だから40代で給与が頭打ちになってから外へ出て、一気に1500万円へ上げるようなルートはそこまで簡単ではない。
研究者や高度技術者、経営人材なら別だが、一般的な会社員としては一度入った会社の給与テーブルにかなり依存する。
これも1000万円の再現性を下げる。
専門職として突き抜ける道も狭い
最近は管理職だけでなく、高度専門職、フェロー、スペシャリスト制度を持つ会社も増えている。
技術者として1000万円以上を狙える会社もある。
ただし誰でも行けるわけではない。
会社を代表する技術者、特許、研究成果、非常に高い専門性などが求められる。
つまり専門職で1000万円を取るならかなり上位層。
ここもITエンジニアと近い。
4大手メーカーの本当の強みは600〜800万円の安定感
大手メーカーには、雇用の安定、福利厚生、退職金、住宅制度、社会的信用といったメリットがある。
これはかなり大きい。
ただし、安定している=年収1000万円を狙いやすいではない。
むしろメーカーの強みは、安定して600〜800万円を取ることにある。
1000万円はそこからさらに上だ。
4-1中高年収の再現性は高い
大手メーカーの強さは、1500万円、2000万円ではない。
600〜800万円を安定して取りやすいこと。
しかも福利厚生、雇用安定、退職金をつけながら取れる。
「年収1000万円を目指す仕事ランキング」だけで見るとそこまで上ではないが、人生全体で見るとかなり優秀な仕事だ。
4-2地方勤務との相性はかなりいい
特に強いのが地方だ。
大手メーカーは地方に工場、研究所、開発拠点を持つ。
そこで大企業の給与テーブルを維持できる。
地方で年収600万円、700万円、800万円はかなり強い。
東京ほど住宅費が高くなく、土地も安く、広い家や車を持ちやすい。
だから地方で豊かに暮らすという目的なら、1000万円を無理に目指さなくてもいい。
地方で700万円取れるメーカー社員なら、その時点でかなり強い。
地方600〜700万円なら有力候補になる
年収1000万円というテーマではそこまで評価は高くない。
でも「地方で600〜700万円」というテーマに変えると、大手メーカーは一気に有力候補になる。
つまり目標年収によって仕事の評価が変わる。
東京で1000万円を狙うなら商社、金融、コンサルの方が強い。
地方で700万円を狙うならメーカーの方が現実的なこともある。
5メーカーは会社選びで差が大きい
メーカー全部が低利益率ではない。
半導体製造装置、医薬品、高機能素材、精密機器、ニッチトップのBtoB企業など、かなり利益率が高い会社もある。
そうした会社なら給与水準も高くなりやすい。
だからメーカーを見るときは知名度だけではなく、
- 営業利益率
- 1人あたり利益
- 海外シェア
- 製品の競争力
を見るといい。
同じ「大手メーカー」でも全然違う。
5-11000万円には会社選び+出世が必要
整理すると、大手メーカーで1000万円を取るには2段階必要だ。
まず、1000万円まで給与テーブルが伸びる会社を選ぶ。
その上で、管理職や高度専門職まで上がる。
会社を間違えれば管理職でも800万円ということはある。
会社が良くても昇進できなければ届かない。
だから「メーカーに入る」だけでは足りない。
6医師・商社・メーカーを比較する
| 医師 | 総合商社 | 大手メーカー | |
|---|---|---|---|
| 1000万円への再現性 | かなり高い | かなり高い | 中程度 |
| 1000万円への到達 | 比較的自然 | 比較的自然 | 管理職が必要になりやすい |
| 利益構造 | 高単価専門職 | 1人あたり利益が大きい | 設備・原価負担が大きい |
| 給与アッパー | 高い | かなり高い | 相対的に低い |
| 600〜800万円 | かなり容易 | かなり容易 | 再現性が高い |
| 1500万円以上 | 狙える | 狙いやすい | かなり上位職 |
| 地方との相性 | 強い | 弱め | かなり強い |
メーカーは、1000万円を狙う仕事として見るより、600〜800万円を安定して取る仕事として見る方が強い。
7まとめ
大手メーカーでも、年収1000万円は狙える。
ただ、1000万円への再現性が高い仕事とは言いにくい。
設備、原材料、工場、物流、研究開発に大きなコストがかかり、社員数も多い。
そのため600万円、700万円、800万円までは比較的堅実に伸びても、1000万円になると管理職や高度専門職が必要になり、人数が一気に絞られる。
だから大手メーカーは、超高年収を狙う仕事としてはそこまで強くない。
でも、安定した中高年収、福利厚生、地方勤務、雇用の安定まで含めればかなり強い。
1000万円を狙うなら再現性は中程度。
地方で600〜700万円を狙うなら再現性はかなり高い。
これが大手メーカーの一番正確な評価だと思う。