1結論:年収が下がったという結果だけで結婚失敗とは考えない方がいい
結婚したとき、夫は年収800万円だった。
数年後、転職して650万円になった。
あるいは会社の業績が悪化して賞与が減った。育児のために時短勤務を選んだ。体調を崩して一時的に働けなくなった。
結婚生活が長くなれば、収入がずっと右肩上がりとは限らない。
だから、配偶者の年収が下がった瞬間に、
「こんなはずではなかった。」
「結婚相手を間違えた。」
と考えない方がいい。
見るべきなのは金額だけではない。
- なぜ収入が下がったのか
- 一時的なのか長期的なのか
- 本人に立て直す意思があるか
- 家計への責任を持っているか
- 夫婦で生活水準を調整できるか
- 将来的な収入回復の可能性があるか
ここを見る。
年収低下そのものより、収入が下がった後にどう向き合うかの方が、結婚生活では重要になる。
2年収は固定値ではない
結婚相手を選ぶとき、年収を見ること自体は合理的だと思う。
住宅。
子ども。
教育。
貯蓄。
生活水準。
収入によって選べるものはかなり変わる。
ただし、結婚時点の年収をその人の永久保証額だと思わない方がいい。
会社員なら、
- 会社の業績悪化
- 賞与減少
- 転職
- 配置転換
- 昇進の停滞
- 失業
- 業界不況
がある。
自営業ならさらに変動する。
育児や介護のために働き方を変えることもある。
つまり、結婚とは「現在の年収を買うこと」ではない。
何十年も続く人生を、収入が変化する可能性ごと一緒に引き受けることでもある。
3まず年収が下がった理由を分ける
例えば年収800万円から600万円になった。
数字だけ見れば200万円減っている。
でも、中身によって意味はまったく違う。
3-1家族のために働き方を変えた
子どもが生まれた。
育児に参加するために残業を減らした。
転勤のない会社へ転職した。
時短勤務にした。
これで年収が下がった。
この場合、収入は減っているが、その代わりに家庭への時間が増えている。
家族全体で見ると、
お金と時間を交換した
とも言える。
ここを単純に「年収が下がったから価値が下がった」と見るのはおかしい。
3-2将来のための転職で一時的に下がった
例えば、
今の会社なら700万円。
でも将来性がない。
新しい分野へ移るために650万円で転職する。
その後、経験を積めば800万円、900万円を狙える。
こういうケースもある。
現在の金額だけではなく、キャリア全体で見る必要がある。
3-3本人の責任が小さい外部要因
会社が傾いた。
業界全体が不況になった。
会社都合で賞与が減った。
リストラされた。
こういうこともある。
本人が真面目に働いていても起こり得る。
これも「結婚前と話が違う」で片付けるより、二人で対応する問題だろう。
3-4本人の行動に大きな問題がある
一方で、同じ年収低下でも問題が大きい場合もある。
例えば、
- 無断欠勤を繰り返した
- 働く意思そのものがなくなった
- 衝動的に退職し、次を探さない
- 何度も同じ理由で仕事を辞める
- 収入が減っているのに浪費を続ける
- 家計について話し合おうとしない
こうなると話が変わる。
問題は年収600万円という数字ではない。
生活を共同で支える意思があるかの問題になる。
4「いくら下がったか」より「何年続くか」を見る
年収が下がったとき、最初に衝撃を受けるのは金額だ。
800万円から600万円。
かなり下がった。
でも、その状態が1年だけなのか、今後ずっとなのかで意味は違う。
例えば一時的に転職して年収が下がり、2年後には元の水準へ戻るなら、家計として耐えられることもある。
逆に100万円しか下がっていなくても、その後も毎年収入が落ち続ける構造なら注意した方がいい。
だから、
現在の年収ではなく、今後3年、5年の見通しを見る。
これは夫婦の家計設計ではかなり重要だと思う。
5一番見るべきなのは「本人がどう動いているか」
年収が下がった。
それ自体は事故かもしれない。
でも、その後の行動には本人の姿勢が出る。
例えば失業した。
そこで、
すぐ求人を見る。
転職エージェントに相談する。
資格を取る。
知人に声をかける。
支出を減らす。
家計について配偶者と話す。
こういう行動があるなら、立て直そうとしている。
一方で、
「そのうち何とかなる。」
と言いながら何もしない。
生活費は以前と同じように使う。
配偶者が指摘すると怒る。
これでは不安になるのは当然だ。
結婚相手として見るなら、
高年収かどうかだけではなく、収入が崩れたときに自分で立て直せる人か
はかなり重要だと思う。
6年収低下は夫婦の家計を再設計するタイミング
収入が変わったなら、財布のルールも変えればいい。
夫800万円。
妻400万円。
この前提で住宅、生活費、貯蓄を設計していた。
でも夫が650万円になった。
それなら、
以前と同じ生活を無理に続ける必要はない。
例えば、
- 住宅費を見直す
- 車を見直す
- 外食を減らす
- 旅行予算を下げる
- 貯蓄ペースを調整する
- 共同口座への拠出割合を変える
- 保険を見直す
- 妻側の働き方を調整できるか考える
など。
年収が下がったのに、生活水準だけ以前のまま維持しようとすると苦しくなる。
収入が変われば、家計も変える。
それだけのことでもある。
7生活水準を一度上げると下げにくい
ここで注意したいのが生活水準だ。
年収800万円時代に、
高い家賃。
高級車。
毎年海外旅行。
私立教育。
高額な習い事。
を前提にすると、年収600万円になったときに一気に苦しくなる。
だから、年収が上がったときから生活水準を上げすぎない方がいい。
特に住宅費は固定費なので重い。
収入が下がったときに、
「前と同じ生活を守らなければ。」
と思うより、
家族全体で一度サイズを変える
方が合理的な場合もある。
年収が下がることそのものより、下げられない固定費を大量に抱えていることの方が危ない。
8配偶者の収入減を責め続けると関係まで壊れる
年収が下がれば、当然不安になる。
住宅ローン。
子どもの教育。
老後。
予定が変わる。
だから、
「もっと頑張ってほしい。」
と思うこと自体は悪くない。
ただ、本人がすでに努力しているのに、
「昔は800万円だったのに。」
「結婚したときと話が違う。」
「○○ちゃんの旦那はもっと稼いでる。」
と繰り返す。
これはかなり関係を悪くすると思う。
収入の問題と、人間としての尊敬を混ぜない方がいい。
年収が下がった。
だから相手の発言力も下がる。
だから家の中で軽く扱っていい。
ではない。
一方で、本人も、
「家族なら支えて当然。」
と開き直ってはいけない。
支える側にも不安がある。
だから、収入が下がった側ほど現在地や今後の予定を共有する。
二人で状況を理解できていることが重要だ。
9比較するなら周囲ではなく過去の計画と比較する
配偶者の年収が下がったとき、
友人の夫。
同僚の妻。
SNS。
と比較するとかなり苦しくなる。
「○○さんは1000万円になった。」
「同級生は昇進した。」
でも、他人の家庭と自分たちの家庭は条件が違う。
見るべきなのは、
この収入で自分たちが望む生活を維持できるか。
例えば子ども2人。
住宅。
教育。
老後。
これが年収650万円+配偶者400万円で成立するなら、以前より下がったからといって直ちに結婚生活が破綻するわけではない。
逆に世帯年収が高くても、支出が大きすぎれば苦しい。
だから金額のステータスより、家計の実態を見る。
10収入が下がったときほど夫婦で同じ方向を向けるかが出る
結婚生活は、良いときだけではない。
昇進した。
年収が上がった。
家を買った。
子どもが生まれた。
そういう良いイベントだけなら一緒にいるのは簡単だ。
むしろ、
失業した。
年収が下がった。
病気になった。
転職に失敗した。
こういうときに、夫婦としての強さが出る。
片方が落ちたとき、
もう片方が一時的に支える。
その代わり、支えられている側も立て直そうとする。
この循環があるなら、かなり強い。
結婚とは、
毎年同じ額を稼ぎ続ける人を契約することではなく、状況が変わったときに一緒に再設計できる相手を選ぶこと
でもあると思う。
11ただし何年でも待てばいいわけではない
ここまで、
年収が下がってもすぐ結婚失敗と考えない方がいい。
と書いた。
でも、
何年無職でも支えろ。
何度仕事を辞めても許せ。
という話ではない。
配偶者にも限界はある。
例えば、
- 数年間ほとんど働く意思がない
- 転職活動もしない
- 改善策を拒否する
- 家事育児も担わない
- 収入がないのに浪費する
- 借金を増やす
- 家計について話し合えない
という状態なら、かなり問題が大きい。
この場合、
「年収が低いから嫌。」
ではなく、
共同生活を維持する責任を果たす意思がない
ことが問題になる。
夫婦は助け合うもの。
でも、一方が永遠に支え、一方が永遠に何もしない状態まで受け入れる必要はない。
12年収より稼ぐ力を見る
結婚相手を見るときにも、これは重要だと思う。
現在年収1000万円。
でも、一社の特殊なポジションに依存していて、そこを失えば次は400万円しか狙えない。
一方、
現在年収700万円。
でも専門性があり、別の会社でも600〜800万円程度を狙える。
後者の方が長期的には安定していることもある。
だから見るなら、
- 専門性
- 経験
- 資格
- 転職可能性
- 業界の需要
- 働く意欲
- 学び直す力
- 生活水準を調整できる柔軟性
まで見る。
年収という数字より、年収を作り直せる力の方が長い結婚では重要になることがある。
13結論:収入が下がったときの姿勢まで含めて結婚相手を見る
配偶者の年収が下がっても、それだけですぐ結婚失敗とは考えない方がいい。
年収は変わる。
会社も変わる。
景気も変わる。
家族構成も変わる。
健康状態も変わる。
何十年も一緒にいれば、最初に想定していた通りに進まないことはある。
だから見るのは、
- 収入が下がった理由
- どれくらい続きそうか
- 本人が立て直そうとしているか
- 家計を一緒に見直せるか
- 生活水準を調整できるか
- 将来的な回復可能性があるか
という部分。
そして、家族のために育休や時短を取って収入が下がったなら、それを本人だけの問題にしない。
会社都合で職を失ったなら、一時的に支えてもいい。
将来のために合理的な転職をしたなら、短期的な年収だけで判断しない。
一方で、働く意思もなく、立て直す意思もなく、家計への責任も負わないなら、年収の問題以上に夫婦関係を見直した方がいい。
結婚相手に求めるべきなのは、絶対に年収を下げないことではない。
下がったときに現実を見て、一緒に生活を立て直せること。
長い結婚生活なら、その方が重要だと思う。