1結論:燃え尽きてもいい。でも、大学4年間まで止めない方がいい
大学受験が終わったあと、一気にやる気がなくなることはある。
高校3年まで何年も勉強して、模試を受けて、偏差値を見て、志望校を決めて、本番まで走り続ける。
合格した瞬間、それまで生活の中心にあった大きな目標が突然なくなる。
しばらく何もしたくなくなるのは、それほど不思議なことではない。
だから大学へ入った瞬間から、また資格勉強を始めたり、インターンへ行ったり、就職活動の準備をしたりする必要はないと思う。
一度休んでもいい。
大学では、高校までのように学年順位や偏差値を追い続ける必要もない。
ただし、そのまま何となく4年間を過ごしてしまうのは避けた方がいい。
大学卒業後に多くの人が通る新卒就活では、大学名だけではなく、大学生活で何をしてきたのかも見られる。
そこで最低限、
自分で考えて動いた経験。
周囲と協力して何かを進めた経験。
この二つくらいは話せるようにしておきたい。
受験後は偏差値競争から降りてもいい。
でも、大学生活そのものから降りない方がいい。
2大学受験は、人生の中でもかなり特殊なゲームだ
大学受験は、目標がかなり分かりやすい。
志望校がある。
偏差値がある。
模試の順位がある。
合格最低点がある。
本番の日付も決まっている。
今日何を勉強すればいいのかも比較的分かりやすい。
英単語を覚える。
数学の問題を解く。
過去問を進める。
模試で弱点を確認する。
努力した結果も、点数や偏差値として返ってくる。
だから受験期は大変だが、「何を頑張ればいいのか分からない」という問題は比較的起こりにくい。
ところが大学に入ると、突然ルールが変わる。
大学の授業。
サークル。
部活。
アルバイト。
恋愛。
留学。
資格。
研究。
インターン。
旅行。
趣味。
選択肢は一気に増える。
その一方で、何をすれば人生として100点なのかは誰も教えてくれない。
大学受験までは一本道だったものが、大学入学と同時に急に分岐する。
この変化に戸惑うのは自然だと思う。
3受験後に燃え尽きるのは、目標がなくなるからでもある
長期間勉強してきた疲れが出ることもある。
ただ、大学受験後の燃え尽きには、それだけではなく、目標そのものがなくなることも関係していると思う。
高校までは、
「次の模試で偏差値を上げる」
「第一志望に合格する」
という明確な目標がある。
周囲の大人からも、勉強を頑張れば褒められる。
進路指導もしてもらえる。
ところが大学へ入ると、
「次に何を目指すのか」
を自分で決めなければならない。
これは簡単ではない。
特に、それまで「勉強ができること」が自分の大きな強みだった人ほど、受験が終わったあとに何を頑張ればいいのか分からなくなることがある。
難関大学へ進めば、周囲にも勉強ができる人が増える。
高校までは上位だったのに、大学では自分が特別ではなくなることもある。
大きな目標がなくなる。
相対的な順位も下がる。
次の評価軸も分からない。
この三つが重なれば、やる気を失うことは十分あり得る。
4大学に入ってまで偏差値競争を続ける必要はない
だからといって、大学へ入った瞬間に次の競争を用意する必要はない。
TOEIC900点を取る。
簿記1級を取る。
難関資格を目指す。
インターンで誰よりも成果を出す。
こうして大学生活を再び数値競争だけにしてしまう必要はないと思う。
大学受験までかなり勉強したなら、一度違うことをしてもいい。
サークルに入る。
恋愛する。
旅行する。
アルバイトをする。
友達と遊ぶ。
興味のある授業を受ける。
大学には、受験勉強では得られなかった経験がたくさんある。
高校までの延長線上で、ずっと順位を上げ続けなくてもいい。
むしろ大学は、自分が何に興味があり、何が得意で、どんな仕事や生活をしたいのかを探す時期でもある。
5ただし「何もしない」は別の話だ
競争しなくていいことと、何もしなくていいことは違う。
ここは分けた方がいい。
大学へ入って、
授業には最低限出る。
空いた時間は家で過ごす。
アルバイトも特にしない。
サークルにも入らない。
インターンもしない。
何かを自分で作ることもない。
そのまま3年生になる。
こうなると、就職活動が始まったときに初めて困ることがある。
企業から、
「学生時代に力を入れたことは何ですか」
「周囲と協力して何かをした経験はありますか」
「自分で課題を見つけて行動した経験はありますか」
と聞かれるからだ。
そのときに、大学4年間で話せることがほとんどないと苦しくなる。
大学生活で全国大会に出る必要はない。
起業する必要もない。
学生団体の代表になる必要もない。
ただ、自分なりに何かを選んで、その中で考えたり、人と関わったりした経験は残しておいた方がいい。
6就活までに「自立性」と「協調性」が伝わる経験を作る
新卒就活では、職務経験がほとんどない。
だから企業側も、完成された仕事の能力だけを見て採用するわけではない。
これから仕事を覚えていけそうか。
自分で考えて動けそうか。
周囲と一緒に働けそうか。
そうした可能性を見る。
そこで重要になるのが、自立性と協調性だと思う。
自立性とは、誰かから細かく指示されなくても、自分で考えて動いた経験があること。
協調性とは、自分一人だけで完結せず、周囲と役割を分担したり、意見を調整したりしながら進めた経験があること。
例えば、
- サークルでイベントを企画した
- アルバイト先で業務改善を提案した
- ゼミで研究を進めた
- 有給インターンで仕事を担当した
- 学園祭の運営に関わった
- 部活でチームの課題を改善した
- 個人開発や創作活動を続けた
といった経験でもいい。
重要なのは、肩書きの派手さではない。
その経験の中で、自分が何を考え、どう動いたか。
ここを話せることの方が重要になる。
7「何をしたか」より「どう動いたか」を残す
例えば、サークルの代表をやったから自動的に評価されるわけではない。
逆に、普通のアルバイトでも話し方次第では十分な経験になる。
就活で話しやすいのは、
- どんな状況だったか
- 何が問題だったか
- 自分はどう考えたか
- 周囲とどう協力したか
- 何を実行したか
- 結果どうなったか
- そこから何を学んだか
という流れがある経験だ。
例えば飲食店のアルバイトでも、
ただ3年間働きました、では弱い。
一方で、忙しい時間帯に注文ミスが多いことに気づき、原因を整理し、店長や他のスタッフと相談して運用を変えたという経験なら、自立性と協調性の両方を話せる。
だから大学生活では、「就活のために派手な実績を作ろう」と考える必要はない。
自分で考えて、誰かと一緒に、少しでも何かを良くした経験を作る。
これくらいでいい。
8有給インターンはかなり相性がいい
大学生活で何をすればいいか分からないなら、有給インターンは選択肢の一つになる。
実際の仕事に近い環境で、
自分で考える。
社員からフィードバックを受ける。
周囲と協力する。
結果を求められる。
という経験ができるからだ。
さらに、就職する前に仕事の向き不向きも知ることができる。
営業をやってみたら意外と楽しかった。
逆に、営業はあまり向いていなかった。
マーケティングに興味があったが、実際には数字を見る仕事の方が面白かった。
こうした発見は、就職したあとに初めて気づくより早い方がいい。
もちろん、有給インターンでなければ意味がないわけではない。
部活でも、サークルでも、ゼミでも、アルバイトでもいい。
重要なのは、受け身で時間だけが過ぎないことだ。
9大学1年生から就活だけを考える必要はない
ここで極端にならない方がいい。
大学1年生から、すべてを就職活動のために選ぶ必要はない。
「このサークルはガクチカになるか」
「このアルバイトは面接で使えるか」
と考え続ける大学生活も息苦しい。
大学は、仕事以外の経験をする場所でもある。
恋愛。
友人関係。
旅行。
趣味。
研究。
自分の世界を広げることにも価値がある。
ただ、4年間のどこかで、
自分で考えて動く経験。
誰かと協力して何かを進める経験。
この二つが自然に残るようにしておけばいい。
就活直前に慌てて作るより、大学生活を普通に楽しみながら何か一つ深く関わった方が話しやすい。
10燃え尽きた直後は、まず休んでいい
受験が終わった直後からやる気が出ないなら、無理に動かなくてもいい。
何年間も受験に向けて走ってきたなら、一度力が抜けることはある。
春休みに遊ぶ。
旅行する。
ゲームをする。
友達と過ごす。
何もしない日を作る。
そういう時間もあっていい。
問題は、一時的に休むことではなく、再び動き始めるきっかけがないまま長期間が過ぎることだ。
だから、休むことと停止することは分けて考えたい。
合格後は休む。
大学に慣れる。
その後、何か一つ興味のあるものへ参加してみる。
このくらいで十分だと思う。
11大学1年のうちは「次の目標」より「次の機会」を探す
受験が終わったあと、すぐに人生の次の大目標を決めるのは難しい。
大学1年生で将来の職業まで確定している必要もない。
だから、「次はこれを達成しなければならない」と決めるより、まず機会を探した方がいい。
サークルにはどんなものがあるのか。
留学制度はあるのか。
面白そうな授業はあるのか。
インターンとは何なのか。
研究室では何をしているのか。
どんな先輩がどんな会社へ行っているのか。
大学には、入ってみないと知らなかった機会がたくさんある。
大学受験までのような一本道を再び探す必要はない。
いろいろ見て、その中から一つ選んでみる。
合わなければ変えてもいい。
大学以降は、与えられた目標を達成するゲームから、自分で機会を選ぶゲームへ変わる。
12親も、合格直後から次の競争へ押し込まない方がいい
親からすると、せっかくいい大学へ入ったのだから、そのまま頑張り続けてほしいと思うかもしれない。
次は資格。
次は留学。
次はインターン。
次は就活。
こうして次の目標を次々に与えたくなる。
でも、大学受験まで本人がかなり頑張ったなら、少し休む時間はあっていい。
一方で、完全に放置すればいいわけでもない。
大学にどんな機会があるのか。
本人が何に興味を持っているのか。
大学生活の中で何か一つ関われる場所があるか。
そのくらいは見ておきたい。
「もっと競争しろ」ではなく、
「何か一つ、自分で選んでやってみたらどうか」
くらいの距離感がいいと思う。
13大学受験で得た成功体験を、そのまま人生の基準にしない
大学受験で成功すると、その成功体験はかなり大きい。
勉強した。
偏差値が上がった。
難関大学に受かった。
努力が明確な結果になった。
だから、その後も同じ方法で人生を攻略できるように感じる。
でも大学以降は、必ずしもそうではない。
仕事では偏差値がない。
恋愛にも合格最低点はない。
キャリアにも唯一の正解はない。
何を頑張るか自体を自分で決めなければならない。
だから大学受験後は、「次の偏差値」を探すのではなく、別の種類の成功体験を作った方がいい。
人と協力して何かをやり切った。
自分で考えたことを実行した。
働いてお金をもらった。
何かを作った。
知らない場所へ行った。
こうした経験も、その後の人生を作る材料になる。
14結論:受験後は競争から降りてもいい。でも大学生活からは降りない
大学受験が終わったあとに燃え尽きることはある。
大きな目標を何年も追い続け、その目標が突然なくなるのだから、一度やる気が落ちること自体は不思議ではない。
だから休んでもいい。
大学へ入ってまで、ずっと偏差値競争を続ける必要もない。
でも、そのまま大学4年間を何となく過ごしてしまうのは避けたい。
多くの人は、その後に新卒就活をする。
そのときには、大学名だけではなく、大学生活でどんな経験をしてきたのかも問われる。
だから最低限、
自分で考えて動いた経験。
周囲と協力して何かを進めた経験。
この二つくらいは残しておきたい。
全国大会に出なくてもいい。
起業しなくてもいい。
学生団体の代表にならなくてもいい。
自分で選んだ場所で、何かを考え、誰かと関わり、少しでも前に進めた経験があればいい。
大学受験後は、競争から降りてもいい。
でも、「何もしない大学生」にはならない方がいい。